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▲じざいや
21世紀の訪れとともに、私たち「桂建築計画工房」も、創立以来半世紀を迎えることができました。
この様な千載一遇の機会に恵まれましたことに、みなさまへ感謝の意を申し上げます。
私たちの歩んできた半世紀。
もはやひとことでは語り尽くせないほど多彩な変化に富んだ時代だったといえるでしょう。
それは街、また街を形づくる店舗・空間設計に関してもしかり。
人々のライフスタイルに合わせて街並みは洗練され、かつてないほどの繁栄を遂げ、
私たちもまたその時代時代において、役割の一端を担ってきました。
しかし、そんな状況は奇しくも、数年のサイクルで次から次へと店舗が入れ替わっていくという現象も
生みだしたのです。過当競争が次第に激しくなる中、それでも私達が常日頃心がけている企業体としてのモットーが
深く関係しているのではないかと思われます。
それは「普通の人の視点に立って、プロとしての仕事に徹する」ということです。

いくら空間デザインとして高い完成度を誇ったとしても、店舗である以上、そこに人がいなければ意味がないと、私達は考えます。
人がいて、初めて絵になり、完成する空間を設計することこそが役割だと信じています。

そのためには、設計者や建築家の立場ではなく、普通のお客さんの立場になって、入りたい店とは、入りやすい店とは何かということを、時代のニーズに沿って、常に掌握しておく必要があります。
その上で、プロの集団としてこれまで培ってきた技術を最大限に生かし、設計から施工、また環境提案に至るまで、全てにおいて完璧にこなしたい。働く人、集まる人が愛情を持つような、ヒューマニズムあふれる居場所を提供したい。そして、施主の思想を反映した、個性のある生きた空間を創造し、その情熱を消費者にていねいにと届けていきたい。それが私達の願いであり、使命でもあると実感しているのです。
真新しい時代の到来。これまで以上に流行はめまぐるしく変化し、店舗のあり方も確実に多様化の一途を辿っていくことでしょう。しかし私達には半世紀にも及ぶ実績があります。

これを唯一無比の武器とし、その時代感覚を常に捉えながらも、あくまで堅実な姿勢でみなさまの期待に応える仕事ができればと思っています


そして、時が経つほど愛着の持てる空間を創造することができればと思っております。

(右写真)上:鮨兵衛 下:イタリアンレストラン ル・ヴィヴァン
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